データでみる相続
令和元年12月に国税庁と各国税局(沖縄は国税事務所、以下、局)から、平成30事務年度(以下、年度)の相続税調査等の状況に関する資料(※)が発表されました。ここではその結果などから、相続税の実地調査件数の推移などをみていきます。
全国の実地調査件数は12000件台で推移
国税庁と各局の発表から、27年度以降の相続税の実地調査件数をまとめると、表1のとおりです。全国の30年度の全国の実地調査件数は12,463件で、29年度に比べて0.9%減少しました。ただし、27、28年度に比べると多い状況です。
局別では、東京局が毎年度3,000件以上の調査が行われており、その件数は増加傾向にあります。大阪局も29年度に2,000件を超え、30年度も増加しています。名古屋、関東信越局でも1,000件以上の調査が行われています。
非違割合は80%以上に
次に、実地調査件数に占める申告漏れ等の非違があった件数の割合(以下、非違割合)をまとめると、表2のとおりです。全国の非違割合は80%台で推移していますが、年々高まっています。
局別にみると、調査件数の最も多い東京局は非違割合が70%台でしたが、30年度には85%を超えました。そのほかでは、高松局が90%を超える割合で推移しており、金沢局も29年度以降は90%台になっています。
相続税の実地調査件数における非違割合は80%を超える高い割合になっています。相続税の申告等に関して不安のある方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。(※)「各年度の相続税の実地調査」
2年前に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案等について実施したものです。事務年度は6月~翌年7月までの期間をいいます。なお各局のデータは、各局ホームページの各事務年度の報道発表資料から確認できます。各局の情報へは国税庁ホームページにあるリンクをご利用ください。
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